問題を解決する際、まずは全ての情報を集めて・・・というような手順だといつまで経っても作業が終わらない。

まず「仮説」を作って、それを検証する。仮説が間違っていれば、新しい仮説を作りまた検証する。
あらゆる手順を検討するより、仮説を作り、それを潰していった方が、結局のところ速く結論に辿り着ける。

仮説は、単なる思い込みである、とも言える。
テレビドラマでベテラン刑事が「あいつが犯人だ。これはオレの刑事としてのカンだ」と言うのと、本質的にはあまり変わらない。
もちろん、刑事と同様、その分野での経験が多い人はそれだけ速く結論にたどり着くことができる可能性が高い。

仮説はあくまで仮の結論だ。
その仮説が正しいかどうかは、検証することで初めて確定する。

仮説に当てはまらないケースを考える

仮説を検証するとき、人はつい「仮説に当てはまるケース」を探してしまう。
当てはまるものが見つかれば、それで仮説の検証ができたと考える。

しかしこれでは検証にならない。なぜなら、「反証」を探してないから。

仮説の検証段階では必ず「仮説に当てはまらないケース(反証)」を考える。
当てはまるケースよりも当てはまらないケースが多いのであれば、その仮説はきっとある条件のとき使えるだけの、正しくない結論なのだろう。
一時的に正しく見えたのは、たまたま「検証の初期段階で当てはまるケースが見つかった」だけだったのだ。

例をあげよう。
人の意見、たとえば「**県人はこうだ」と言われたときに、頭に浮かぶのは当てはまるケースだ。
意識して、「そうか?そうでない**県人の人も居るのでは?」と考えて見れば、当てはまらないケースの方がむしろ多いことに気づくだろう。

人はある仮説に当てはまるものを探すのは得意だけれど、当てはまらないものを探すのは苦手だ。

カラーバス効果

ベンツを買おうと思うと、街中にたくさんのベンツが走っていることに突然気づく。
占いで「今日のラッキーカラーは青」と言われると、街中にある青いものがやたら目に付く。
意識していると関連する情報に気づきやすくなることを「カラーバス効果」と言う。

仮説をつくり、それが正解かどうかを検証しようと考えていれば、カラーバス効果によって「当てはまるケース」ばかりが目立ってしまう。
当てはまらないケースを意識して探さなければ、間違った結論にたどり着いてしまう。

間違った仮説を捨てるのが難しい

仮説が間違っていれば、別の仮説を立てればよい。
それはそうなのだが、これまた人の心理として、いったん立てた仮説は仮説とはいえども捨てるのは難しい。
別の仮説を立てるのも大変だし、この仮説が正しければ仕事が進む・・・そう考えて、多少論理展開が不自然だとしても、今の仮説にしがみつく。

仮説はあくまで仮説。
間違っていたときはすぐに捨てることができるよう、愛着を持たないように取り扱いたい。

効果的な手法として、2〜3個の仮説の検証を同時並行で行うことをお勧めする。
複数の仮説を持っていれば、そのうちの一個を捨てることの未練は、一つの仮説しか持たないときよりも少なくなるはずだ。

A paper shredder and a bag of shredded documents by the door