未知論証(UFOが存在しないというなら、それを証明してみろ)
例:「リスクがないと証明できるのか?できないのであれば中止すべきだ」
例:「リスクがないと証明できるのか?できないのであれば中止すべきだ」
何かが存在しないことを証明することは不可能で、俗に「悪魔の証明」と言われている。
リスクがないことを証明するためには、世の中に存在するあらゆるリスクを検討しなければならず、そんなことは不可能である。
本来は可能性の高いリスクのみをできる限り検討した上で実行するかどうかを決めるべきだが、リスクゼロを求めると結局なにもできなくなってしまう。
論点のすり替え(もっと悪い奴を逮捕しろ!)
例:「(スピード違反で捕まった人が、警察に対して)オレよりも悪いことをしている政治家はいっぱいいるだろう!オレよりもあいつらを逮捕しろ!」
例:「(スピード違反で捕まった人が、警察に対して)オレよりも悪いことをしている政治家はいっぱいいるだろう!オレよりもあいつらを逮捕しろ!」
問題になっているのはスピード違反をしたことであって、もっと悪いことをしている政治家の存在ではない。
単に話をそらしているだけである。
対人論証(あなたにそれを言う資格があるのか)
例:「過去に傷害事件を起こしたE君の意見はまったく信用できない」
例:「過去に傷害事件を起こしたE君の意見はまったく信用できない」
これも日常生活でよく使われる。
人を責める際はその内容を問われるべきで、責める側の人格や過去の行動は本来関係ないはずである。
女性関係でスキャンダルが発覚した政治家が居るとする。
彼の政治家としての能力と女性に対してのだらしなさはまったく関係がないにも関わらず「お前だって論法」によって彼は引退に追い込まれてしまう。
経営コンサルタントの考え方
未知論証の罠に陥ると、どんな施策も打てなくなってしまう。限りある情報から最善の選択をすることをサポートするのが経営コンサルタントであり、100%リスクのない施策はありえない。
「論点のすり替え」や「対人論証」は、自分で使わないように気をつけるのはもちろん、相手がその手法を使ってきていないかに注意したい。
重要なのは、「いま何を議論しているのか」を常に意識すること。そうすれば詭弁に惑わされることもないだろう。