大きさに応じてやり方は変わる(スケーリングの誤解)

鳥は羽根を羽ばたかせることによって空を飛ぶ。
当初人間は鳥のように羽を身体に取り付け、羽ばたかせることで空を飛ぼうと試みた。
しかしそれはうまくいかなかった。結局、鳥の模倣から決別し、固定翼とプロペラを用いることで、はじめて人は空を飛ぶことができるようになった。

スケーリングの誤解

ある規模において機能するシステムは、拡大または縮小した規模においても同様に機能すると思い込む傾向のことを、「スケーリングの誤解(Scaling fallacy)」と言う。

鳥の大きさであれば「羽ばたく羽根」というシステムは有効だった。しかし、人間が同じシステムを利用しようとすると、その大きさ・重さによる重力の影響が大きすぎ、飛ぶことができなかった。

経営における「スケーリングの誤解」

経営においても、「スケーリングの誤解」が悪影響を及ぼすことがある。

個人事業主、小規模事業、中小から上場企業、多国籍企業・・・・その規模に応じて、必然的に仕事のやり方は変わっていく。
どれが良い、という話ではない、規模に適した仕事のやり方があるだけだ。

フリーランスの大企業批判ほど的外れなものはない。「スケーリングの誤解」により、サイズが違うものを比べているのだから。

羽根で飛べていた企業は、成長過程のどこかでその羽根を捨て、ジェットエンジンを装備しなければいけなくなる。
ずっと羽根で飛ぼうとムリをすれば、墜落してしまうだろう。

企業規模に応じた適切なやり方がある。大企業の事例をそのまま持ってきたところで、中小企業には適用できない。
サイズに応じたやり方、できてますか?

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