ほとんどの場合、原因は悪意ではなく当事者の能力不足にある。
ハンロンの剃刀(かみそり)として知られている考え方だ。
ハンロンの剃刀
能力不足という説明で十分なはずの事態を、悪意のせいにしてはならない、という考え方。
ー 「要点で学ぶ、デザインの法則150」より ー
何か、人為的な要因で不幸な出来事が起こったとする。
その原因は、誰かの陰謀や悪意の結果ではなく、単純に当事者たちの無知や能力不足に起因する可能性の方がはるかに高い。
しかし、人間はそこに誰かの「悪意」を見つけたがる。
同僚の嫉妬、上司の敵意、政府の陰謀、イルミナティの計画、フリーメイソンの(以下略)。
あなた仕事で同僚やパートナー企業に非常に不当な扱いを受けたとする。
相手に悪意があったのかもしれない。逆に、悪意など無く、単に相手が無知あるいは能力不足だったのかもしれない。
後者である可能性、つまり相手が無知・能力不足である可能性の方がはるかに高い。
だとすれば、相手に悪意があると考えて「自分に何か悪いところあったのだろうか」とうじうじ悩むことは時間の無駄だ。
なぜなら相手は、単に無知か能力不足のゆえにそんな行動に出ているのだから。
もちろん、悪意なり陰謀からその出来事が起きている可能性を否定するわけではない。
残念ながら、本当に悪意のある人間はいるし、組織もある。可能性は低いけれど。