ある特定の分野で突出した業績を残したからといって、その人が他の分野でも有能だとは限らない。
ある個人の特定の業績が、他の能力を保証するという勘違いを、「ハロー効果」という。
「ハロー」は「後光」の意味で、宗教絵画でよくある、神仏の背後から出ている光のことだ。
バラエティ番組のコメンテーターが、専門外の分野で月並みな意見を言う。
実績のある経営者だからといって人格者とは限らない。対外的には人格者という評価だが、従業員を奴隷のようにこき使う経営者もいる。
有能な営業職だからといって良い管理職になれるとは限らない。むしろ部下の営業に結果を出させることができず、以前のパフォーマンスを発揮できなくなってしまう。
考えてみれば当たり前のことだ。しかし、人はハロー効果の影響を受けてしまい、できる経営者は人格も優れていると思うし、結果を出した営業を管理職に昇進させてしまう。
逆に考えれば、ひとつの分野に秀でてしまえば、他の分野でも物事を容易に進めやすいとも言える。
ハロー効果により、周囲が勝手に勘違いしてくれるのだから、うまく使わない手はない。
まずはひとつの分野で成功を収めることだ。そうすれば、ハロー効果があなたを助けてくれる。