皆がそう言っているからといって、それが重要なことだとは限らない。

エコーチェンバー現象またはエコーチェンバー効果と呼ばれるものがある。
これは端的に言うと「皆が言っているから正しい」という思考の間違いだ。

過熱するマスコミ報道やSNSで広がる噂話などを想像して欲しい。
少し古いが、豊川信用金庫の取り付け騒ぎなどもそうだ。

最初は誰かのウワサ話だった。もしくは根拠のない思いつき。しかし、それがメールやSNS、会議の席やニュースで繰り返し反復されるうちに、いつのまにか「正しいこと」として認識されてしまう。

エコー・チェンバーは、情報やアイデアや信念などが、閉じたシステムの内部でコミュニケーションされ、反復されることで、増幅、強化される状況のメタファー(隠喩)となっている。
比喩的な意味におけるエコーチェンバーの内部では、公式発表には疑問が一切投げかけられず、それと異なる、あるいは、対抗する見解は、検閲、禁止されるか、そこまでならないとしても目立たない形でしか提示されない。

エコーチェンバー現象は、社内で上手く使えば「経営理念の浸透」や「組織の方向性の統一」の助けになるだろう。
もちろん程度問題はある。結束力がある企業は、その反面、排他的にならざるを得ないからだ。
対抗する見解を一切受け入れようとしない組織が長期的に生き残ることはできない。

できる限り元ネタまで辿ること

エコーチェンバー現象に幻惑され、間違った意思決定をしないためには?
面倒ではあるが、できるだけ元ネタを調べてみることだ。

例えば、経営者やコンサルタントがよく引用するダーウィンの言葉(とされている)は、実際にはダーウィンの発言ではないことがあきらかになっている。
営業や接客のセミナーでよく引用されるメラビアンの法則も、元の論文を読んでみればまったくの誤解された意味が広まっていることがわかる。

ちょっとネットで調べればわかることなのに、専門家たる皆がそれを怠っているわけだ。

もちろん、世の中のあらゆる事を疑ってかかっていては、時間がいくらあっても足りない。そんなことはすべきではない。
ただ、自分の専門とする分野だけは、きちんと元ネタまで辿って理解するのがプロとしての矜持だろう。

重要度を見極めること。そして、重要性の高いものに関しては「周囲がそう言っている」からではなく、きちんと調査して情報を精査し結論をだすこと。
エコーチェンバー現象で安易な意思決定をしてはいけない。特に、重要な局面においては。