前回、前々回の続き。
最頻値(モード)
最頻値(モード)は、データ全体の中でもっとも数の多い数値のことである。
エクセルではMODE関数で計算できる。
下図で見るように、ここでの最頻値は300万となる。
最頻値に位置する人が最も多い、つまり、多数派なわけである。
こちらも算術平均と比較すると、中央値とは違う意味で実感に近い数値が出てくる。
算術平均が有効なケース
算術平均が有効なのは、データが正規分布(釣り鐘型のグラフ)に従っている場合だ。
例えば人間の身長などは多少の幅はあれども、100センチとか3メートルといった極端な身長を持つ人はほぼ存在しない。
こういう場合は、算術平均、中央値、最頻値すべてがだいたい同じくらいの数値になるため、算術平均のみ計算すれば事足りるだろう。
平均は便利だが・・・
算術平均は便利な概念だ。
ただし、前述のように算術平均はデータのばらつきが大すぎると実感とズレる場合がある。
中央値(メジアン)や最頻値(モード)も適宜計算することで、そういったズレをなくすことができる。
また、平均値を取るということは、逆に言えば個々のデータの特徴を消してしまうことになる。
平均値はあくまでデータを大づかみする際の参考としてとらえ、できるだけ棒グラフや折れ線グラフなど、より生データに近いもので分析するよう心掛けた方が良い。
・・・と、ここまで書いておいてなんだが、性格や企業経営など多数の項目が複雑に絡み合ったものに関しては、平均はほとんど意味はなさない。
「平均的な性格」や「平均的な会社」は統計上は存在するが、現実には存在しないのだ。
よって、どんな性格の女性にも通じる魔法の口説き文句や、どんな会社の売上も数倍になる魔法のテクニックは、存在しない。
あると主張するのであればその方は詐欺師か、論理的な考え方ができない方かのいずれかだろう。
絶対の手法が存在しないということは、個別の事情に合わせたオーダーメイドの対応が必要になるということだ。
だからこそ、筆者のような経営コンサルタントの存在意義があるのだろう。