専門家は、その専門分野における知識のすべてを頭の中に入れているわけではない。
どんな分野でも、必要となる知識は拡大しており、また専門分化も進んでいる。
弁護士だから全ての法律に詳しいわけではないし、税理士だからあらゆる税務に精通しているわけではない。
中小企業診断士だって、経営に関する知識をすべて記憶しているわけではない。
しかし、専門家は一般人よりも圧倒的に早く、その専門分野の問題を解決することができる。
なぜか?仮にその狭い分野の知識がなくても、「どこを調べれば精度の高い答えに辿りつけるか」をある程度把握しているからだ。
専門家といえど、突然の質問には答えられないこともある。
しかし、できる専門家はその頭の中に「知識体系のインデックス」を作っている。
知識の置き場所、調べ方さえわかっていれば、専門外の人間よりも圧倒的に速く答えに辿りつける。
専門家の学習とは、その脳内に「精度の高いインデックス」を作る行為であると言える。
弛まぬ学習が必要になる、ということだ。
インデックスが頭の中に存在しない、ある狭い分野だけに秀でている専門家も居る。
彼はきっと全体最適の提案を導き出せないだろう。