自己主張の話。父の教育方針

これは母から聞いた話。本人(父)からは一回も聞いたことがない。

実家は長崎県の上五島。どこからみても田舎だ。
父は高校までそこで過ごして、自動車整備士になるために福岡の学校へ進学した。
学生寮に入っていたようだ。

ある日、学生寮の近くの家の庭にあるミカンの木から果実が盗まれるという事件があった。
学生寮の誰かが犯人だろうということになり、追求が始まったらしい。
父はミカンを盗んでいなかったにもかかわらず、田舎者のせいか口べただったために自己主張することができず、なんとなく犯人のような扱いを受けた。
父は、それが相当悔しかったそうだ。

父は若くして結婚した。
子供が産まれたとき、かつて自己主張できなかったために汚名を着せられてしまった悔しさから、自分の子供はしっかりと自己主張のできる人間にしようと思ったそうだ。
その子供は、何かあれば自分の意見を言わされた。主張には根拠を求められ、父は大人げないレベルでその主張に徹底的に反駁した。子供はそれに負けじと父に主張をぶつけるようになった。

・・・その子供がつまり、私だ。

結果、経営コンサルタント(中小企業診断士)などという理屈をこねくり回すような職業になってしまったわけだ。
自己主張が過ぎて人間関係に悪い影響を与えてしまうこともあったし、実の妹から「お兄ちゃんは生きるの大変そう」と言われてしまっていたが、中小企業診断士になり、独立してそれなりにやっていけているのも父の教育のおかげだと思う。
トータルでは大きくプラスなので、父には感謝している。

両親ともに健在であり、今後も健康に楽しく日々を送って欲しいと願っている。

それは主張か、それとも感想か

自己主張がしたければ、その根拠を徹底的に考えなければいけない。
皆を説得するためにはどうしたらいいかも考え、そのために必要な知識も習得しなければならない。

根拠も無く、誰も説得できない、そんな主張は主張ではなく、単なる「自分の感想」にすぎないだろう。

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