ビジネスモデルを描いてみよう(2)〜「顧客」は誰か?

前回の続き。

顧客(誰の役にたつのか?)

まずはビジネスモデルキャンバスの一番右側の枠「顧客」から見ていこう。

あなたのビジネスにお金を払ってくれる人は誰だろうか?もちろん、顧客だ。
ここには、あなたのビジネスが対象としている顧客の特徴や属性が入る。

顧客が求めるものは大きく二つ。
ゼロまたはプラスを更にプラスにするものか、
マイナスをゼロまたはプラスにするものだ。

前者は「状況をよりよくするもの」、
後者は「悪い状況を改善するもの」と言える。

顧客は一種類だけではないかもしれない。
その場合は、何らかの基準でグループ化(セグメント化)し、その特徴がよく見えるようにする。
グループ化の基準として以下の項目が挙げられる。

  • 異なる提案が必要(SNSのように、無料サービスを受ける側と広告を出したい側が居る場合)
  • 異なる流通チャネルが必要(ネットと店舗、地域で異なるなど)
  • 関係構築の方法が異なる(ネットと店舗)
  • 収益性が異なる(無料サービスと有料プランなど)
  • お金を支払う部分が異なる(ある顧客は寄付という形で、他の顧客は物品の購入という形で、など

顧客はなるべく絞る

コンサルティングの現場で、社長に「顧客は誰ですか?」と聞くと、
よく返ってくる言葉は「うちの商品・サービスを買ってくれる人は全員顧客だ」というものだ。

これはある意味正しい。商品を買いたいと言う人を断る理由はないからだ。
しかし、競合との戦い、という視点で見るとこの「全員を顧客と見なす」方法は悪手と言える。
全方位に戦いをしかけていては、資本力のある大手企業にはとても敵わない。

顧客を絞り込み、彼らにフィットした価値提案(次回説明する)を行わなければ、
「この商品・サービスは他でも買えるよね」となってしまうだけだ。

絞り込めば、広告宣伝費などの経費も少なくて済む。
絞り込めば、尖った商品・サービスを作ることができる。

このあたりは、ブルーオーシャン戦略における「戦略マップ」のフレームワークが有用だ。
戦略マップについてはべつの機会に説明する。

顧客にどんな価値を提供するのか?

では、絞り込んだ顧客に、どんな価値を提供するのか?
何を売るのか?ではないところに注意。売れるのは、価値を顧客が認めてくれたその結果でしかない。

次回説明する「提供価値」の要素で、その点について考えていこう。(つづく)

関連記事

  1. ビジネスモデルを描いてみよう(7)〜ビジネスモデルを検証する(1)

  2. 戦略

    戦略の5つの「P」

  3. DCSモデル。要求は下げずに、裁量を拡大、支援の仕組みを

  4. フレームワークを組み合わせる

  5. BMIA認定コンサルタント養成講座(基礎)、修了

  6. フレームワークを改変する(サービス・市場機会マトリクス)

最近の記事

  1. 2024.04.15

    メンテナンス

読書記録(ブクログ)